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1.3 気象事業者による気象情報

気象庁以外の気象事業者による気象情報がある。例えば新聞の天気予報欄、ラジオやテレビの天気番組における解説等は広く国民に親しまれているが、これは気象庁から発表される予報を基に民間気象事業者が報道機関との契約により行っているものが多い。個別利用者の目的に応じた予報の提供も民間気象事業者が活躍して来た分野であり、野球場、各種レジャー産業、港湾作業や建設作業向けの天気予報、太平洋を航行する船舶の最適航路の予測、電力の需要予測等、利用者の具体的な目的に応じた情報提供が行われている。

これらの事業の基本的な指針として、気象審議会(平成4年3月)において、民間による局地的な天気予報の一般への公表については、情報の質を確保し社会的な混乱を防止するため

・気象庁の作成した各種気象データ、特に数値予報等の予測データ等を民間気象事業者にオンラインで提供すること

・資格制度を導入すること

等が提言され、その結果、平成5年5月に気象業務法が改正され

・気象庁の各種気象データを民間気象事業者へ提供すること、この情報提供業務を民間気象業務支援センター(公益法人を気象庁長官が指定)に行わせること

・気象予報士制度を導入し、予報業務を行おうとする事業者は予報の業務を気象予報士に行わせなくてはならないこと

・気象観測に使用する気象測器については気象業務法の政令で定めるものについては検定が必要である

等が定められた。気象予報士の制度は平成7年5月より施行されている。

従ってこれら気象事業者の入手する気象データは気象業務支援センターを介した気象庁のデータであるからこれらの事業者からデーターを入手する必要性はないと考えられる。

しかし、海上保安庁においても自前の観測データとともに、これら気象庁から提供される基礎データ及び数値予報を有効に活用した気象情報サービスについて検討することを提案したい。

 

 

 

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